読書記録「はじまらないティータイム」原田ひ香

甥っ子の離婚と再婚で叔母のミツエとその娘の奈都子がそのドタバタに巻き込まれるお話です。(奈都子は巻き込まれているけどミツエは首を突っ込んでいる感じかな?)

物語の最初は母親に対してうんざりしている奈都子だけど、最後に二人で家を出た後はきっとどこかにお茶しに行ってこれまでの経緯をお互い話し合うんだろうなあ。と想像させる終わり方で好きでした。

 

私はとにかく甥っ子と不倫し妊娠、奥さんである佐智子から甥っ子を略奪し、結婚した里美がむかつくんですよね。

会社でも嫌われ者らしく、親しい友達もいない。妊娠だってこっそり産婦人科に通っての計画的だし、結婚式だって盛大にするつもりでいるし。どうしてこんなに勝気なんだろう。って。

だから、私もミツエと同じく佐智子にすごく同情しました。

佐智子に対しては離婚後一人暮らしを始めて昔の趣味?(他人の家に忍び込むこと)を再開するのですが、きっと離婚後の方がすっきり自分らしく生きれているのかな?他人の家に忍び込むっていうのは問題はあると思うけど。。

里美と奈都子の会話にはイライラし、ミツエと佐智子の会話にはハラハラドキドキしながら読みました。

 

悩みとか人間関係の問題というのは、当事者同士が膝を突き合わせても解決しないということ。

三者とのかかわりによって解決はしないけど自分の中で折り合いをつけたり、愚痴を言ったりして解消するんですね。

世の中自分の思った通りにいかないことは沢山あるし、客観的に見て正しいことの方が影になってしまうことも多いけど、そういう不条理だなと思うことについて抱え込まずに何かに置き換えて解消していかないと、気づいた時には大きな負荷になってしまう。

 

私も毎日生活する中でむかつくこと、イライラすること多々あります。そういう時に吐き出す場所や、代替法(?)みたいなのを確保しておくことは精神衛生上とっても大事だと思いました。

 

 

はじまらないティータイム (集英社文芸単行本)

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